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pH10以上の湯に入りたい。

源泉バンク編集部更新日:
淡い石の上に澄んだ湯が張られた温泉のイラスト
AI生成のイメージイラストです

温泉の成分表で、pH10という数字を見かけることがあります。pHは7が中性で、数値が大きいほどアルカリ性が強いことを示します。温泉では、pH8.5以上の単純温泉を「アルカリ性単純温泉」と呼び、入ると肌がすべすべする感触が特徴とされています。

pH10を超える湯は、そのなかでもアルカリ性がとびきり強い湯です。今回は、施設が公式にpH10以上を公表している3軒を、伊豆・神奈川・福岡から選びました。

pH10の湯は、なぜぬるっとするのか

アルカリ性の湯に入ると、肌の表面がぬるっとしたり、すべすべしたりします。日本温泉協会が取材に協力した長野県の観光サイトは、アルカリ性の温泉には肌の余分な皮脂を乳化させる特徴があると説明しています。

乳化とは、油が水となじんで流れやすくなること。石けんで手を洗うときに起きているのと同じ働きです。湯の中で皮脂がゆるみ、肌の表面がなめらかになる。それが、アルカリ性の湯に特有の感触として伝わります。

ただ、湯ざわりは数値だけでは決まりません。今回の3軒は、どれもpH10台の湯なのに、宿が伝える湯ざわりは「やわらか」「さらさら」「とろり」とさまざまです。数値で候補を絞り、感触の違いを自分の肌で確かめに行く。それがpH10の湯の楽しみ方です。

1. IZU VILLAGE HESO HOTEL

「身体に対する刺激がやさしく、やわらかい泉質」。伊豆の国市のIZU VILLAGEは、自慢の湯をこう紹介しています。湧出地で測ったpHは10.3。泉温46.5℃、毎分52リットルの強アルカリ性単純温泉で、色もにおいもない無色透明の湯です。

湯は加水も加温もしない源泉かけ流しで、宿は肌がすべすべになると伝えています。見た目に特徴がないぶん、湯に手を入れた瞬間の感触が、この湯のいちばんの個性です。源泉ランクは4です。

温泉は宿泊者だけが使えます。日帰りでは入れない代わりに、着いてすぐ、寝る前、翌朝と、時間を変えて何度も湯に戻れるのは泊まる人の特権です。伊豆の散策は短めに切り上げて、宿で過ごす時間を長めに取る旅程が合います。

2. 飯山温泉 元湯旅館

神奈川県厚木市、飯山温泉の元湯旅館は、江戸時代後期に湯治場として創業した老舗です。2003年に敷地内で掘削を始めると、強アルカリ泉が湧き出しました。神奈川県温泉地学研究所の分析では最高値pH11.3を記録し、いまもpH10.2前後で安定していると宿は案内しています。

宿によれば、この湯は「とろみのあるアルカリ泉とは異なり、さらさらとした滑らかな湯質」。浸かると肌がつるつるになり、化粧水のようだと評されるそうです。同じ強アルカリ性でも、とろりとした湯とは違う感触を確かめられます。源泉ランクは3です。

渓流露天風呂では、清流小鮎川のせせらぎを聞きながら、東丹沢の山々を仰げます。春は桜、夏は渓流、秋は紅葉と、季節ごとに景色が変わります。たくさんのたぬきが迎える大浴場「たぬき風呂」、打たせ湯露天風呂、40分の貸切風呂もあり、日帰りプランも用意されています。

3. ホテルグランスパ アベニュー

甘木駅から近いホテルグランスパ アベニューの湯は、pH10.0のアルカリ単純温泉です。宿は露天風呂の湯を「体にベールがかかるようなとろりとした泉質」と表現しています。元湯旅館のさらさらとは対照的な、とろみのある湯ざわりです。

男女の大浴場と4階の露天風呂は、2024年にリニューアルしました。男性の大浴場にはドライサウナもあります。温泉地の奥まで出かけなくても、電車を降りてすぐにpH10の湯に入れるのが、この宿のいちばんの強みです。源泉ランクは3です。

ほかに、ヒノキの湯船や半露天を備えた11種類の貸切家族風呂があり、どれも源泉かけ流しです。平日は家族風呂を使う日帰りプランもあるので、泊まらなくても、とろりとした湯を家族や友人だけで味わえます。

まとめ

やわらかな湯を宿泊者だけで楽しむIZU VILLAGE、さらさらと滑らかな湯を渓流の音とともに味わう元湯旅館、とろりとした湯に駅から直行できるアベニュー。同じpH10台でも、湯ざわりを表す言葉はこれだけ違います。

pHは湯の性質を示す数値で、源泉ランクは加水・加温などの湯の使い方を示す別の指標です。数値で候補を絞ったら、あとは自分の肌で違いを確かめてみてください。